姫路市視覚障害者スマフォ教室でサポートをされる方

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  • 日 時:2022年9月30日(金)13:30から16:30 
  • 場 所:総合福祉会館 5階 第3会議室
  • 参加者:学生サポーター、および、姫路デジタルサポートのサポーター

はじめに

この研修会は、姫路市視覚障害者スマフォ教室において受講者にアドバイスを行うサポーターを対象にしています。講習会ではVoiceOverを使ってiPhoneの基礎操作を行います。VoiceOverはiPhoneの読み上げ機能ですが、一般的なiPhoneの操作方法とは大きく異なります。

この研修会では、VoiceOverよる操作方法を一から説明していくのではなく、普段からiPhoneを使っておられる晴眼の方を対象に、晴眼者の操作方法とVoiceOverの操作方法の違い、VoiceOverを用いてiPhoneを便利に使う方法について、短時間で学習していただきます。講習会では、これらの知識をもとに受講者にアドバイスをしてもらうと同時に、新しい知識を習得していただきます。

1 視覚障がい者のICT環境

  • ・ICTは必須の生活ツール
  •  視覚障がい者の2大困難(「読み書き」と「歩行」)を支援
  • ・ICTのアクセシビリティに関する基本理念
  • 「可能な限り、障害がない人と同一内容の情報を同一時点において取得できる」
  • 「地域にかかわらず等しく情報取得等ができる」
  • ・デジタルデバイドの解消
  •  約8割の視覚障がい者がICTを効果的に利用していない。
  • ・姫路市スマートフォン講習会の意義と概要

2 VoiceOverの基本

(以下は、サポーターも実際に操作を行なってもらいながら、説明を行います。)

・VoiceOverとは

iPhoneの読み上げ機能(スクリーンリーダー)をVoiceOver(以下VOと表記する)と言い、視覚障がい者はこのVOを使って操作を行います。VOの読み上げに応じて、指のジェスチャーによって操作を行います。例えば、右・左スワイプで項目を移動、ダブルタップで実行・選択を行います。

・さまざまなジェスチャー(別表)
  • ・使用する指:1本から4本まで
  • ・指の動き:タップ、ダブルタップ、トリプルタップ、左右スワイプ、上下スワイプ
  • *アドバイス:力が入り過ぎ、長くゆっくりしたスワイプ、指を立てる などすると、別のジェスチャーとみなされる。
・ローター

ローターは、VOモードで有効なチェスチャーで、2本指を画面上で回転させる動作を指します。回転させると、設定項目が読み上げられ、目的の項目が読み上げられた後、上下スワイプでVOカーソルを移動させたり、調整を行ったりします。例えば、「音量」に合わせて、上下スワイプで音量の調整をします。

  • – iPhoneを快適に操作するには、ローターをいかにうまく使えるかにかかっていると言って過言ではありません。
  • – ローター動作の取得は、視覚的模倣の要素が強いので、視覚障がい者には言葉による適切な説明や手を取ってのアドバイスが必要です。
  • *アドバイス:手首も使って回す、同時に本体も反対に回す、ペットボトルの蓋を回すように、両手の指を使う、その都度画面から指を離す など
  • – 画面のどの部分で操作するかによって、表示される項目が異なりますので、ローター操作をする部分にも注意が必要です。
・Siriの利用

VOモードでも、通常使用と同じようにSiriを使うことができるので、視覚障がい者に積極的に勧めていきましょう。

  • -用途:電話をかける、メールの作成・送信、アプリの起動、アプリの特定画面の表示、カレンダーの予定
  • -他に面白いリクエストがあれば、受講者に伝えてください。
・文字入力

VOモードでは、日本語かなキーボードを使って文字入力を行います。入力方法は、ダブルタップが基本ですが、スプリットタップを用いる方が効率的です。

  • – 文字入力には操作練習の努力と長い入力時間を必要とするので、代替手段として、音声入力を勧めています。
  • – なお、VOモードでは、フリック入力ではなく、トグル入力で行う。そのための設定が必要です。「設定」>「一般」>「キーボード」>「フリックのみ」をオフ
  • – 文字入力の仕方YouTubeを参考にしてください。

文字入力の方法を紹介したYouTube

・VoiceOver関係の設定

VOに関する設定(句読点の読み方、ローター項目の設定など)は、「設定」>「アクセシビリティ」>「VoiceOver」で行います。

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3 VocieOverでiPhoneを快適に使うには

通常画面を見て快適に行える操作方法が、VOで快適とは限ぎりません。

・2本指ダブルタップ(マジックタップ)
  • – 電話を取る・切る、音声入力の開始・終了、YouTubeの再生・停止、Zoomのミュート・ミュート解除などができます。
  • – サウンドを聞いて、開始、終了のタイミングの確認を行います。
・シリアル操作とダイレクト操作の使い分け
  • – 画面上部ステータスバーや下部ツールバー(Safari)、ドック(ホーム画面)には、ダイレクト操作が適しています。
・ボタンを探すより上下スワイプ
  • – メールアプリの受信画面は、上下スワイプだけでメールの返信・削除ができます。
・Safariでは、ローターを使ってWebページを速く把握
  • -ローターを「見出し」「ランドマーク」「記事」に合わせて、上下スワイプを用いて、目的のところに直接移動できます。
・垂直移動に便利なもの
  • – セクションの索引(連絡先、Radico)は上下スワイプで索引を読み上げてくれて、特に便利です。
  • – 垂直スクロールバーは、画面右端を触れることよって、現れます。ただ、上下スワイプの後、右スワイプでなく、画面の中央部をタップすることによって、希望の場所への移動できます。
・サインインはApple IDで

– アプリやWebページでサインインを求められることがありますが、「Apple IDでサインイン」を選択すると、ほとんど文字入力が必要ないです。

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4 視覚支援アプリ、歩行支援アプリ

パソコンでメールを使用する、Wordを使う、Webページを読むことは、視覚障がい者の2大困難のうちの「読み書き」を補償・支援するものです。一方、iPhoneでは、さらに進んで、視覚を直接的に支援するアプリや歩行を支援するアプリが沢山登場します。これらのアプリは視覚障がい者の間で人気があります。

(1) 視覚支援アプリ

  • ・活字文字や手書き文字をテキストに変換するOCRアプリ
  •  Seeing AI, Sullivan plus, Envision AI
  • ・ボランティアに見てもらうアプリ:Be My Eye
  • ・特定のコードを読み取るアプリ:Uni Voice Blind
  • ・「もの」をカメラで識別するアプリ:これなにメモ

(2) 歩行支援アプリ

  • ・目的地の方位・距離、現在地を知らせてくれるアプリ
  •  BlindSquare, SoundScape
  • ・経路を提示するアプリ
    • – マップ、Google Maps
    • – ナビレコ、NaviLens(道路、施設に敷設など大規模の環境設定が必要)

(3) エンターテイメント

  • ・いつでもラジオ放送が聴ける:Radico
  • ・映画の音声ガイド:UDcast, Hello!Movie

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5 サポーターの役割

  • ・講習会では、基本的にユーザー自身に操作をしてもらい、サポーターはそのためのアドバイスを行うのが役割です。
    • – 言葉による説明や必要があれば手を取ってアドバイスを行います。
    •  例)ユーザーの学習の補助となるように操作の案内を行います。
    • – 特定の方法を押し付けるのではなく、操作方法はいろいろあるので、ユーザーに使いやすい方法を選んでもらうことが大切です。
  • ・止むを得ず、操作の代行を行う場合
    • – 言葉による説明を行いながら、操作をします。
    • – 視覚を使った操作は行いませせん。
    • – メールアドレスやパスワードなどの入力は、依頼を受けてから入力の代行を行います。
  • ・講師に、ユーザーの状況(「うまくできた」、「操作中」など)を報告します。
  • ・パスワードなどについては、自分のメモなどに保存してはいけません。

6 ボランティアとしての心構え

本サポート活動は、ボランティアとして行います。「無理せず、できる時間に、できることを行う」ことを基本としますが、引き受けたことは責任を持って行なってください。

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