7月12日(水)明石で開催した「視覚障がい者のためのスマホ教室」で神戸新聞の取材があり、16日の朝刊に掲載されました。なお、今回のスマホ教室は、兵庫県身体障害者福祉協会から後援いただいたものです。
■Yahoo防災速報アプリを使う
7月のスマホ教室のテーマは、「防災アプリで災害に備える」です。Yahoo防災速報アプリを取り上げました。このアプリを取り上げた理由は、自宅近辺の想定される災害危険度が、マップでなく、テキストで表示され、読み上げることができるからです。
行政が出しているハザードマップは、文字どおり、地図画像で提供されており、視覚障がい者単独では確認することができません。Yahoo防災アプリのこの機能は、視覚障がい者にとってすばらしいものと言うことができます。
また、防災タイムラインという機能があり、自宅周辺の想定危険度を調べ、事前に設定した警戒レベルで行うべき行動や避難所について確認ができます。
■非常に複雑
警報の通知を受け取り、アプリに速報情報を表示して読み上げることは簡単でした。
しかし、タイムラインの作成では、自宅の想定危険度を調べましたが、半数の人で自宅が東京に設定されてしまいました。東京から明石に変更するのも非常に複雑なステップを踏む必要がありました。
■アクセシビリティに問題
「ボタン」「タブ」などのコントローラーを読み上げない箇所が多くありました。「ボタン」「タブ」と読み上げないと、ボイスオーバーユーザーは使えません。
また、ボイスオーバーをオンにした状態では、マップ上の避難所を選択できませんでした。
■新聞の内容
神戸新聞 2023年7月16日朝刊
掲載された記事は、添付のとおりですが、書き起こしたテキストは下記のとおりです。
視覚障害者向けに講座 スマホ活用、安全な日常
速報や歩行支援 ・ ・ ・ 音声機能学ぶ
視覚障害者に役立つスマートフォンの機能を伝え、便利で安全な生活の一助にしてもらおうと、市民グループが講座を開いている。12日にはウィズ明石で防災速報アプリの活用を学んだ。
一般によく使われるスマホの機能は、メールや電話、サイトやSNS (交流サイト)閲覧等だが、視覚障害者にはより多くの役割を果たすと言う。
例えば、印刷物の読み上げ機能や歩行支援アプリ。歩行支援アプリは、歩く道をカメラでとらえると、信号の色や障害物の有無を音声で知らせる。便利な機能だが、目が見えないとスマホは使えないと思い込んでいる人が多いと言う。 そんな人々に使い方を知ってもらいたいと、自身も視覚障害がある油谷秀俊さん(63)が昨年11月に「明石視覚障がい者のためのスマホの会」を立ち上げた。
月に1回、読み上げ機能や文字の入力方法などの教室を 開く。教室は少人数制で、サポーターが横に座り、表示されるスライドなどの説明を受けることもできる。今回は姫路デジタルサポートの栗川隆宏さんを講師に招き、防災速報アプリの使い方などを教わった。
冒頭、全員でYahoo!の防災アプリを インストール。自宅周辺で災害が起こった際に通知が来る設定などを学んだ。また、本来は地図上に表示されるハザードマップの情報をテキスト化し、読み上げ機能を使って自宅の被災想定を確認した。
6回目の参加だと言う高尾治枝さん(72)=明石市硯町= は「災害時に対しては漠然とした不安があった。スマホで確認できるようになると安心」 と語る。
同会では定期的にサポーターの研修も開く。油谷さんは「もっと視覚障害者にスマホが役立つことを知ってもらいたい」と話す。
8月23日、 9月6日に、ウィズ明石8階のフリースペースで体験会、相談会が行われる。電話で事前予約が必要。各回定員3人で先着順。油谷さん電話 090 ・ 5078 ・ 3455。