2022年4月24日
1 連携・協力の必要性
視覚障がい者を対象としたICTサポート団体個々は、人・情報・技術において限りがあり、情報交換・共有を目的とした連携を深めることが重要です。特に、デジタルデバイドやアクセシビリティの問題については、技術・施策面で複雑で高度な内容を含んでおり、1団体による対応は困難と思われます。しかし、団体相互の情報交換や関係団体などの連携が進んでいないのが実情です。
中長期的には、それぞれのICTサポート団体の強化し、さらに、デジタルデバイドやアクセシビリティ問題に対処するためには、個々の団体を支援し、個々の団体の意見を取りまとめ、大きな力にする、全国的な組織が必要となります。全国的に見ると、視覚障害者リハビリテーション協会という組織がありますが、学術交流を目的とした団体であり、ICTサポートに関する組織はありません。
まずは、サポート団体のみなさんに参加していただき、ICTサポート団体の情報交換と共有を目的とした連絡会議を発足することが第一歩と考えています。
2 連携する内容
(1) サポート団体の運営に関する情報交換
他団体が行っている活動の中には参考になることがたくさんあります。メーリングリストおよびオンライン会議によって、次の情報について交換・共有を行います。
<情報交換の内容>
- ・各団体の講習会・個別サポートなどの活動状況
- ・サポーターの勧誘・広報、育成方法
- ・ユーザーの開拓方法
- ・イベントの開催
- ・運営資金、会場の確保方法
(2) デジタルデバイドの解消への対応
デジタルデバイドの解消に向けて、講師・サポーターの育成をはじめさまざまな施策を実施します。
- ・講師、サポーター情報の登録と派遣
- ・マニュアル、テキスト、資料の共有化
- ・ICTサポート・リーダーの養成
- デジタルデバイドの解消を見据えた場合、数万人という多数のサポーターが必要となるため、地域で中核となるリーダーの養成を行う。
- ・ICTサポート団体希薄地域の支援
- ICTサポート団体希薄地域において、現地で臨時講習会を実施するほか、現地のサポーター、ボランティアを育成する。
(3) アクセシビリティ確保への対応
Webサイトやアプリの制作者に対して、視覚障がい者のパソコンやiPhoneの使い方に関する資料、開発者への啓発資料を提供します。同時に、各サポート団体に対してアクセシビリティに関する技術資料、実装資料を収集し、提供します。
- ・アクセシビリティの改善要請
- ・iPhoneアプリに関するガイドラインの提案
- ・Webページ、アプリの開発時から当事者が参画する仕組みの提案
3 具体的なアクション
将来的には、サポート団体を支援する全国組織の創設が必要と考えますが、当面の対応として、ICTサポート連絡会議(仮称)を発足し、情報交換と共有を進めていきたいと考えています。
連絡会議は、サポーター個人として参加していただき、メーリングリストやオンライン会議によって、ICTサポート活動について情報交換・共有から進めていきたいと思っています。
このような企画趣旨に賛同いただける方は、下記までご連絡をお願いいたします。
mailto:partnership@digital-society.org
(文責:栗川 隆宏)