視覚障害者のiPhone・VoiceOver教室 テキスト(勉強会資料)

2022年5月4日
姫路デジタルサポート
pdf版

目次

本文

1 はじめに

NaviLensは、視覚障がいのある人が施設・設備のナビゲーションや表示ラベル用に設計されたもので、次のような特徴があります。

  • ・最大16m離れたタグを読み取る。
  • ・タグを瞬時に読み取る。
  • ・GPSが不要

このような特徴を活かして特に歩行支援に活用されています。世界においては地下鉄の駅、バス停、博物館や公的な施設でNaviLensが利用され、より容易に環境を知ることができ、スマートかつインクルーシブな街となります。

一方、NaviLensは、パーソナルユースにおいてタグ(マーカー)を無料で入手でき、それに紐付けされたメモの追加、書き換えができます。この講習会では、この特徴を活かして、身の回りのモノの整理・識別について学習をします。

モノにタグを貼り付けるという制限があるものの、さまざまな日用品の整理・識別ができるのではないでしょうか。例えば、食品の箱やビン、CD、棚に並べたモノの識別などに利用できると思いますが、みなさまも試していだき、有意義な利用方法についてお知らせください。

2 事前の準備

NaviLensのアイコン
NaviLensのアイコン

(1) アプリのインストール

NaviLensアプリをインストールします。

□ インストールの操作

上記リンクをダブルタップすると、App Storeが起動し、NaviLensアプリが開かれた状態になります。

  • ・右スワイプで、2、3ステップ進み、「入手」ボタンをダブルタップします。
  •  なお、「開く」ボタンがあれば、すでにインストールされています。
  • ・新しいウィンドウが開きます。右スワイプで進み、「インストール」ボタンをダブルタップします。
  • ・この前後に、Apple IDのパスワードの入力を求められる場合があります。
  •  その場合は、そのテキストフィールドダブルタップして、入力します。

(2) 準備物

□ タグ(マーカー)
タグの(消毒液、プッシュ式)
タグのサンプル(消毒液、プッシュ式)

自宅で利用する場合、モノの説明と紐づけるタグが必要です。ここでは、壁や床、モノに貼り付けるマーカーをタグと呼んでいます。そのタグは、黒地を背景にして、青、黄、紫の四角形が格子状(5列5行)に配置されています。

タグの大きさは、A4ページのサイズから35mm角のものまでいろいろあります。また、タグの認識には、小さな四角形の色の組み合わせによって行われます。

□ タグの入手方法

パーソナルユースの場合、無料で入手ができます。アプリの「メインメニュー」->「タグを取得」において、メールアドレスと名前を登録すると、空白のタグを入手できます。

(3) 起動時の手続き

アプリを起動すると次の同意や承認について可否が求められます。

  • ・利用規約への同意
  •  チェックボックスをダブルタップして、次に進みます。
  • ・新着情報
  •  完了ボタンをダウルタップします。
  • ・カメラへのアクセス

 その後、画面がメインスクリーンに変わり、NaviLensがカメラにアクセスすることへの許可のダイアログボックスが現れるので、OKボタンをダブルタップします。

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3 メインスクリーンと初期設定

図 メインスクリーンの画面の説明
写真 メインスクリーンの画面

(1) メインスクリーン

□ 検出されたタグ

アプリを起動すると、「タグを読み込むために、カメラをタグに向けてください」と音声案内があり、メインスクリーンが表示されます。メインスクリーンは、カメラが起動していますが、画面にはカメラの映像は表示されません。

直近に検出されたタグのメモが表示され、右・左スワイプでタグのメモに移動できます。

□ 4つのボタン

画面最下部には、4つのボタンが配置されています。ボタンへのアクセスは、人差し指をiPhone本体のホームボタンからゆっくり上にスライドさせると、ボタンの名前が読み上げられます(ダイレクト操作)。

  • ・「メインメニュー」ボタン: NaviLensの設定などを行います。
  • ・「タグフィルター」ボタン:特定のタグを検出します。
  • ・「ズームオフ」ボタン:カメラの拡大倍率を1倍または2倍に変えます。
  • ・「360ビジョン」ボタン:特定のタグの前まで音声等でガイドします。

(2) 設定

設定は、メインスクリーンの画面最下部の左側の「メインメニュー」ボタンから行います。

  • ・「メインメニュー」->「設定」->「位置情報モード」および「読み取りオプション」
□ 位置情報モード
メインメニューの画面の写真
写真 メインメニュー画面

検出されたタグまでの誘導方法について次のようにオプションを設定します。設定は、ダブルタップで行います。

  • ・サウンド:オン
  • ・音声ガイダンス:オン
  •  前、上、下、右、左と音声でタグの位置を知らせます。
  • ・ハプティック:オフ
  •  検出すると振動で知らせます。
□ 読み取りオプション

・内容を読み込むことについては次のとおり設定します。

  • 「検出時に読み込む」:オン
  • 「新しいタグの検出時に読み上げを中断する」:オン
  • 「ショートテキスト」:オン
  • 「NaviLensアプリがからメッセージを削減します」:オフ

・追加情報については次のように設定します。

  • 「距離を読み上げる」:オン
  • 「角度を読み上げる」:オフ
  • 「最終更新からの経過時間を音声で知らせてくれる」:オフ

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4 タグの検出とタブに紐付けされるメモ

(1) タグの検出テスト

タグの(消毒液、プッシュ式)
タグのサンプル(消毒液、プッシュ式)

このページの右に表示されているサンプルのタグを使って検出テストを行ってみましょう。

  • ・このページのサンプルのタグをパソコン画面に表示します。
  • ・続いて、iPhoneのNaviLensアプリを起動します。
  • ・iPhoneを持って、背面カメラをパソコン画面に向け、左右、上下に向け、スキャンします。
  • ・「カッチ」という音が聞こえれば、タグを検出したというサインです。その後、「○○m、消毒液、プッシュ式」と読み上げます。
  • ・タグまでの距離は、パソコンで表示しているので、実際の距離とはかなり異なっていますが、もっと遠くに離れても検出できます。
  • ・「前」という音声案内はタグが正面にあることを示しています。「右」「左」「上」「下」という音声案内はタグが現在のカメラの向きよりそれぞれ右方向に、左方向に、上に、下にあることを示しています。モノを探すときに便利な機能と思われます。

(2) メモの記入

タグのメモの詳細画面と4つのボタン
写真 タグのメモの詳細画面

右下のタグのサンプルを使って、メモ記入の練習を行います。

  • ・空白タグを準備する。
  • ・iPhoneのカメラを空白タグに向け、検出します。
  • ・右スワイプでタグのメモまで進みます。「空白タグ。パーソナルメモを利用して記入してください」との読み上げられると、ダブルタップし、詳細画面に進みます。
  • ・画面最下部の「パーソナルメモ」ボタンをダブルタップし、パーソナルメモ画面に進みます。テキストフィールドで編集中になっています。
  • ・これからこのタグを貼り付けるモノの説明をテキストフィールドに記入します。例えば、「レモンサワーの素、25度」と説明を入力します。
  • ・ここでは音声入力を行います。2本指ダブルタップで開始した後、説明を言葉で話します。
  • ・2本指ダブルタップで音声入力を終了します。
  • ・左右のスワイプで保存ボタンを探し、ダブルタップします。

今後は、このタグを検出するとそのメモ(モノの説明)を読み上げます。

空白タグのサンプルの写真
写真 空白タグのサンプル

実際に使用する場合は、タグシートから切り取った一つタグを用いて上記の手続きを行なった後、そのタグを対応するモノに貼り付けます。

パーソナルメモは、NaviLensアプリに保存されるので、メモを保存したiPhoneでのみ利用できます。なお、このメモを5人までの複数の人で共有することも可能ですが、「メインメニュー」->「NaviLensフレンズ&ファミリー」でサインアップを行うことが必要です。

□ 詳細画面の説明

・中央部には、パーソナルメモが表示されています。

・画面最下部に4つのボタンが配置されています。ダイレクト操作法でそれらのボタンにアクセスします。左から「選択を閉じる」ボタン、「このタグをフィルタリングして見つけます」ボタン、「パーソナルメモ」ボタン、「タグの再読み込み」ボタンが並んでいます。

5 タブフィルターと360ビジョン

(1) タブフィルター

タグフィルターのキーワードの入力画面
写真 タグフィルターのキーワードの入力画面

特定の文字列を含む、パーソナルメモに対応するタグだけを見つけ、近づくことができます。タブフィルターの利用方法には、入力したキーワードで探す方法と指定した特定のタグを探す方法があります。

□ 入力したキーワードで探す方法

この方法は検索キーワードを含むタグだけを検出します。

  • ・メインスクリーン画面で最下部の「タブフィルター」ボタンをダブルタップします。
  • ・検索フィールドが現れ、編集中になります。
  • ・キーワードを入力します。(音声入力も可能です)
  • ・キーボードの右下にある「検索」をダブルタップすると、タグの検出画面になります。
  • ・キーワードを含まないタグにはカメラを向けても反応しませんが、含むタグだけを検出します。

□ 指定したタグを探す方法

  • ・まず、メインスクリーンで指定するタグを検出し、右スワイプでタグのメモまで進みます。
  • ・「詳細を表示」ボタンをダブルタップし、詳細画面に進みます。
  • ・詳細画面の最下部の左から2つ目の「このタグをフィルタリングして見つけます」ボタンまで進み、ダブルタップします。
  • ・その後、メインスクリーンに戻り、カメラを環境に向けて上下左右にスキャンします。
  • ・指定したタグを検出すると、自動的に「360ビジョン」が起動します。
  • ・360ビジョンの音声ガイドによってそのタグの前にたどり着くことがでます。

(2) 360ビジョン

360ビジョンが起動した画面
写真 360ビジョンが起動した画面

360ビジョンは、特定のタグを遠方から検出し、そのタグの目の前に行きたいときに使用します。360ビジョンは、そのタグまで音声とサウンド、振動でガイドします。

複数のタグのうち一つのタグだけを360ビジョンの対象としたい場合ロックすることもできます。また、360ビジョンのガイドは、カメラの視野から外れても作動します。

360ビジョンの設定は次の画面で行います。

  • ・「メインメニュー」->「設定」->「360ビジョン」

ドラムの音を切る方がガイドがわかりやすので、「サウンド」をダブルタップし、ドラムをオフにします。

□ ガイド方法

音声とサウンド、振動でタグまでガイドします。音声は、「右」「左」「前」という案内がありますが、「上」「下」という案内はありません。また、サウンドは「カーン、カーン」という音響が聞こえます。

  • ・iPhoneが、タグの方向を向いていると、「前」という音声と、「カーン、カーン」という音響で知らせてくれます。
  • ・iPhoneの向きがタグから外れると、「右」または「左」と言い、音響がなくなります。
  • ・振動は、タグまでの距離が1から2mの場合、ブル、ブルと間隔を開けて振動します。また、1m以下に近づくと、微小な振動が連続します。

使い方としては、iPhoneを左右に向けながら、「前」と言ったときに一歩前に進むのがよいかと思います。

□ 360ビジョンの起動方法

360ビジョンを利用するには、次の方法が2つの方法があります。

・ タグがアクティブ時に360ビジョンを起動

メインスクリーンにおいて、タグが検出され、アクティブな状態(音声、サウンドでタグの位置情報を知らせている状態)で、360ビジョンを起動します。起動には、画面最下部の右端の「360ビジョン」ボタンをダブルタップします。また、ダグフィルターで指定したタグを検出した場合も自動的に360ビジョンのこのモードが起動します。

このモードの特徴は、一つのタグにロックされた状態になるので、他のタグが視野に入っても検出しません。

・360ビジョンを起動後にタグを検出

メインスクリーンにおいて、タグが検出されていない状態(アクティブでない状態)で、360ビジョンを起動します。「周りをスキャンしてナビレンズのタグを探してください」との案内があるので、カメラを上下左右に向け、タグの検出を行います。

複数のタグがあると、視野の正面にあるタグが360ビジョンの対象になります。一つのタグに絞りたい場合は、右スワイプで「・・ロック」ボタンに進み、ダブルタップして、ロックします。

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