デジタル社会について国会審議

2021年3月9日から国会審議が始まりました。

立憲民主党の森田俊和氏がデジタル機器に不慣れな弱者への支援策について尋ねました。菅首相は、「誰1人取り残さないという視点が不可欠。十分に配慮して改革を進める」と説明し、利用方法を学べる環境整備を進める考えを示しました。

「誰1人取り残さない」というの首相の答弁は、高齢者や障害者のICT利用実態や利用環境を考えると、非常に重要なことです。そして、利用方法を学べる環境整備を進めるとしていますが、「環境整備」とは具体的に何をさしているのでしょうか。

国会議事堂の写真

デジタル社会改革の基本方針

国会審議の前、2020年12月に「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」が閣議決定されました。
基本方針によると、デジタル社会の将来ビジョンは、「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」としています。この一文は、障害のある人、ない人、高齢の人もそれぞれのニーズに合わせて、サービスを利用できる社会と意味しています。それは、「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」が前提条件と思われます。

次に、基本原則として10項目を挙げています。①オープン・透明、②公平・倫理、③安全・安心、④継続・安定・強靱、⑤社会課題の解決、⑥迅速・柔軟、⑦包摂・多様性、⑧浸透、⑨新たな価値の創造、⑩飛躍・国際貢献です。その中の8番目の「浸透」が「誰一人取り残さない」に関係しているようです。⑧浸透では次のように述べられています。

国民にとり「お得」なデジタル化によるデジタル利用率の向上、デジタル技術を使う側・提供する側双方への教育を通じて「わかりやすい」「楽しい」デジタル化を進めること、国民にデジタル化の成果を実感してもらうこと等により、誰一人取り残さない国民全般に浸透するデジタル社会を目指す。

また、障害に関係する⑦包摂・多様性では、次のように記述されています。

アクセシビリティの確保、情報通信インフラの充実、高齢・障害・病気・育児・介護と社会参加の両立、多様な価値観やライフスタイルへの対応等により、包摂的で多様性のあるデジタル社会を目指す

包摂・多様性は、類似の概念ですが、解釈の仕方で少し異なります。多様性はダイバーシティと言われ、人種や障害の有無、性別が異なる多様な人が一定割合で存在する状態を指します。一方、包摂はインクルージョンと言われ、多様な人材がそれぞれの能力を活かして活躍できる状態を意味します。つまり、デジタル化によってインクルージョンが促進されると言っています。

デジタル社会の基本方針の中に、「誰一人取り残さない」ことが位置付けされていることを確認することができました。

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