障害者差別解消の改正とアクセシビリティ

5月28日、障害者差別解消法の改正する法律が成立しました。

改正の内容

改正の主な内容は、民間事業者による合理的配慮の提供を義務化したことです。これまで、合理的配慮の提供は、行政機関においては義務でしたが、民間事業者においては努力義務でした。今回の改正で、障がいを理由とした不当な差別の禁止および合理的配慮の提供について、行政機関と民間事業者とも義務となりました。

 

 

 

バリアフリーバスのイラスト

たとえば、視覚障害者がコンビニで買い物をするときに、店員さんに買いたい商品を取ってもらうことなどが合理的配慮に当たります。これが義務化されました。義務化されることによって、このようなお願いもしやすくなるのではないでしょうか。

「環境の整備」も義務化を!

一方、スクリーンリーダーを使用中に、Webページの画像を読み上げない、また、ボタンの名前を読み上げないなどの、アクセシビリティの問題はこの改正で改善されるのでしょうか。結論を先に言うと、今までどおりで、改善されないと予想されます。

アクセシビリティの問題は、解消法の第5条の「環境の整備」に該当しますので、今回の改正では触れられていません。「環境の整備」は行政機関、民間事業者とも努力義務が課されているだけですので、規制がないのと変わらない状況です。私はこの「環境の整備」を義務化すべきだと思っています。

しかし、日本弁護士連合会が改正について意見書を出していますが、「環境の整備」の義務化には触れていません。それほど、義務化は難しいことなのでしょうか。

例えば、駅のエレベーターの設置が環境の整備に該当します。交通設備や建物の「環境の整備」については、差別解消法では努力義務ですが、別の法律であるバリアフリー法では義務化されています。駅のバリアフリーの場合、1日の乗降客が5000人以上の新設の駅では義務となります。

Webページの場合、サイトの全てのページを一挙にアクセシブルにするのは困難だと思いますが、新しく作成するページについてはアクセシブルであることを義務付けすることはできないのでしょうか。

訴訟も必要か

一方、アメリカでは、政府のWebページはリハビリティーション法508条によりアクセシビリティが義務付けされていますが、民間事業者のWebページについては規制されません。ただ、民間のWebページに障がい者がアクセスできないとして訴訟を起こし、勝訴しています。このような判決が事実上のWebページの基準になっています。

日本では、アクセシビリティの訴訟は起きていませんが、差別解消法の第7、8条の「障害を理由とする不当な差別的取り扱い」に基づいた訴訟のことも検討する必要がありそうです。

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