音声コードで温め方説明
4月19日朝のNHKニュースで標記のレトルトカレーのことを扱っていました。目が不自由な人が1人でもレトルト食品を楽しめるように、長崎市のホテルが県立の盲学校などの協力を得て温め方を音声で説明するレトルトカレーを開発しました。
詳細は分かりませんが、レトルトカレーの箱の裏面に、音声コード(Uni-Voice)が印刷されているようでした。通常、音声コードの位置は、切り欠きで分かるのですが、商品の箱には切り欠きを作ることが困難なことから、音声コードが箱から浮き上がる工夫をしているとのことでした。
音声コードの開発者の日本視覚障がい情報普及支援協会は商品にも普及させることを当初から意図していたようですが、今回のレトルトカレーが最初の事例ではないかと思います。このような事例が増えて欲しいと思います。
□ 音声コード(Uni-Voice)の特徴
今回利用されたのは音声コードで、それを読み取るのはUni-Voice Blindアプリです。音声コードは文書やテキストを読み上げるSeeing AIなどのアプリとは基本的に仕組みが異なります。
Seeing AIなどのアプリは、文書をカメラで撮り、文字に変換しますので、変換が間違ったり、できなかったりすることがあります。一方、音声コードは、800文字までのテキストが埋め込まれており、音声コードが認識できれば、読み間違いはありません。しかし、製造者はその音声コードを印刷しなければならないので、音声コードが多くの商品に普及しないものと思われます。
□ 他の商品や生活インフラへも音声コードの普及
Uni-Voice Blindアプリについては、講習会等でその使い方を学習された方も多いことと思います。しかし、実際の生活の場でそのアプリを使われているでしょうか。多分ほとんど使う機会がないのではないでしょうか。それは、ほとんどの文書に音声コードが印刷されていないためです。現在、音声コードが印刷されているのは、年金通知や水道料金請求書(一部の市町村のみ)、福祉関係の冊子など極々一部に限られています。
また、商品では、音声コードが印刷されているのは、長崎市のホテルが発売している5種類のレトルトカレーだけです。商品では、薬の服用方法や洗浄剤の使い方など危険を伴うものから音声コードを付けるようにして欲しいものです。
音声コードを普及させるためには、どのような取り組みをしていくのがよいでしょうか。日本視覚障害者団体連合などの中央だけでなく、地方でも行政や生活インフラなどの身近な文書に音声コードを付けるよう要請し続けることが大切です。。